
寿司『松栄』の大改装は、馴染み客でもあったインテリアデザイナーへの相談で具体化していきました。なにせ初めてのこと。こちらの要望は出したもののディテールに関しては「そういうものか」と、ほぼ専門家の提案を受け入れる形になりました。
仕上がりは大満足でしたし、新しいイメージの寿司屋にしたいのだから数千万円かかるのは当たり前なのだろうとも思っていました。
しかし、『炉ばた屋』『立呑屋』『18番』といったカジュアルな店創りを行なった時のこと。内装は数百万で済み、その内装費は3カ月で回収できてしまった。
驚きでした。「客単価が安くても大きな売上を生む商売ができる」と知った私は、飲食ビジネスの面白さを実感したのです。
私たちが最初に創ってきた高級和食レストランやバーは、こんなカッコイイ場所があるよ、こんなカッコイイ食べ方や飲み方ができる場所があるよ、という提案でした。
そして次にはちょっと角度を変えて、1000円で立ち飲みするおやじの昔ながらの伝統とカッコよさを紹介。海外の“バル”も含め、若い世代のみんながまだ知らない飲食の文化を提案してきました。
アイデア出しそのものを楽しむ。それが私の店舗プロデュースの在り方です。
例えばハワイでは120種類ものドラフトビールをすべて1ドルで出す店があります。「これ恵比寿でやろうよ」が、私の店舗開発ストーリーのはじまりとなるのです。
モデルの『17番』は、現実的には生ビールすべて100円は難しく290円に落ち着きましたが、出店当時のインパクトは相当なものでした。自分が感動したこと、楽しかったこと、欲しい場所。発想の原点はそこにありますし、これからもぜひ注目していてください。
